０２●学びて時(つね)に之(これ)を習(なら)う。亦(また)説(よろこ)ばしからずや。
０３●和をもって貴(たっと)しと為す。和を知りて和すれども、礼を以て節(せっ)せざれば、亦(また)行う可(べ)からず。
０４●己(おのれ)の欲(ほっ)せざる所(ところ)は、人に施(ほどこ)すこと勿(なか)れ。
０５●疏食(そし)を飯(く)らい、水を飲み、肱(ひじ)を曲げて之を枕とす。楽しみ亦その中に在り。
０６●故(ふる)きを温(あたた)めて新(あたら)しきを知る。以(もっ)て師(し)と為(な)る可(べ)し。
０７●之を道(みちび)くに政(まつりごと)を以てし、之を斉(ととの)うるに刑を(けい)以てすれば、民免(まぬが)れて恥(はじ)無し。
之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥ありて且(か)つ格(ただ)し。
０８●之を知るは之を知ると為し、知らざるは知らずと為す。是(こ)れ知るなり。
０９●苗(なえ)にして秀(ひい)でざる者、有るかな。秀でても実(みの)らざる者、有るかな。
１０●古(いにしえ)の学ぶ者は己の為にし、今の学ぶ者は人の為にす。
１３●巧言(こうげん)令色(れいしょく)、鮮(すく)なし仁(じん)。
１５●君子は人の美(び)を成(な)す。人の悪(あく)を成さず。小人(しょうじん)は是(これ)に反(はん)す。
１６●君子は周(しゅう)して比(ひ)せず。小人は比して周せず。
１９●死生(しせい)は命(めい)有り。富貴(ふうき)は天に在り。
２０●君子は矜(きょう)なるも争(あらそ)わず、羣(ぐん)すれど党(とう)せず。
２２●君子は其の言(げん)の其の行(おこな)いに過(す)ぐるを恥(は)ず。
２５●政を問う。子曰く、食を足らし、兵を足らし、民、之を信ず。
２７●過(あやま)ちて改(あらた)めず。是、過ちと謂(い)う。
２８●過(あやま)つを観(み)れば、斯(すなわ)ち仁(じん)を知る。
２９●仁(じん)を問う。子(し)曰(いわ)く、己(おのれ)に克(か)ちて礼(れい)に復(ふく)するを、仁と為(な)す。
少(わか)き時は、血気未(いま)だ定まらず。之を戒(いまし)むるは色に在り。
壮(そう)なるに及びては、血気(けっき)方(まさ)に剛(つよ)し。之を戒むるは闘(たたか)いに在り。
老(お)ゆるに及びては、血気既(すで)に衰(おとろ)う。之を戒むるは得(とく)に在り。
３１●吾(われ)日(ひ)に吾(わ)が身を三省(さんせい)す。
人の為に謀(はか)りて忠(ちゅう)ならざるか。朋友(ほうゆう)と交わりて信ならざるか。習わざるを伝えしか、と。
３２●長幼(ちょうよう)の節(せつ)は、廃(はい)す可(べ)からず。
３４●後生(こうせい) 畏(おそ)る可(べ)し。焉(いずく)んぞ来者(らいしゃ)の今に如(し)かざるを知らんや。四十・五十にして聞こゆること無きは、斯(こ)れ亦(また)畏（おそ）るるに足らざるなり。
３５●貧(ひん)にして怨(うら)む無きは、難(かた)し。富(と)みて奢(おご)る無きは、易(やす)し。
３６●専対(せんたい)すること能(あた)わざれば、多(おお)しと雖(いえど)も、亦(また)なにを以て為さんや。
３７●速(すみ)やかならんことを欲(ほっ)する無かれ。小(しょう)利(り)を見ること無かれ。速やかならんと欲(ほっ)すれば則(すなわ)ち達せず。小利を見れば、則ち大事(だいじ)成らず。
３８●其の位(くらい)に在(あ)らざれば、其の政(まつりごと)を謀(はか)らず。
４０●位(くらい)無きを患(うれ)えず。立つ所以(ゆえん)を患(うれ)う。己を知る莫(な)きを患えず。知る可(べ)きを為さんことを求む。
４３●之を如何(いかん)せん、之を如何せんと曰わざる者は、吾之を如何ともする末(な)きのみ。
４４●教えざる民(たみ)を以て戦うは、是(こ)れ之(これ)を棄(す)つと謂(い)う。
４５●君子は義(ぎ)を以て上(じょう)と為す。君子も勇(ゆう)有りて義(ぎ)無くんば、乱(らん)を為す。
４８●知者(ちしゃ)は惑(まど)わず。仁(じん)者は憂(うれ)えず。勇(ゆう)者は懼(おそ)れず。
４９●知者は動、仁者は静。知者は楽しみ、仁者は寿(じゅ)もてす。
５０●君子は言(げん)を以て人を挙(あ)げず。人を以て言を廃(はい)せず。
５２●訴(うった)えを聴(き)くは、吾(われ)猶(なお)人(ひと)のごとし。必ずや訴え無(な)から使(し)めんか。
５３●礼に非(あら)ざるもの視(み)ること勿(なか)れ、非礼(ひれい)、聴くこと勿れ、非礼、言うこと勿れ、非礼、動くこと勿れ。
５４●年(とし)四十(しじゅう)にして悪(にく)まる。其れ終わらんのみ。
５５●其の身を絜(いさぎよ)くせんと欲(ほっ)して、大倫(たいりん)を乱(みだ)る。
５６●中人(ちゅうじん)以上は、以て上(かみ)を語(つ)ぐ可(べ)きなり。中人以下は、以て上を語ぐ可からず。
５７●民は之に由(よ)ら使(し)む可(べ)し。之を知(し)ら使む可からず。
５８●其の身正しければ、令(れい)せずとも行われる。其の身正しからざれば、令すと雖も、従われず。
６０●発憤(はっぷん)して食を忘れ、楽しみて以て憂(うれ)いを忘れ、老いの将(まさ)に至らんとするを知らず。
６１●我(われ)生まれながらにして之を知る者にあらず。古(いにしえ)を好み、敏(びん)にして以て之を求むる者なり。
６２●博(ひろ)く学んで篤(あつ)く志(しる)し、切(せつ)に問(と)うて近く思う。仁、其の中に在り。
６３●之を知る者は、之を好む者に如(し)かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず。
６４●君子に九思(きゅうし)有り。
視(し)には明(めい)を思い、
聴(ちょう)には聡(そう)を思い、
色(しき)には温(おん)を思い、
貌(ぼう)には恭(きょう)を思い、
言(げん)には忠(ちゅう)を思い、
事(じ)には敬(けい)を思い、
疑(ぎ)には問(もん)を思い、
忿(ふん)には難(なん)を思い、
得(とく)を見ては義(ぎ)を思う。
６５●子、四を絶つ。意なる毋(なか)れ、必なる毋(なか)れ、固なる毋れ、我なる毋れ。
６６●命(めい)を知らざれば、以て君子と為る無きなり。礼を知らざれば、以て立つ無きなり。言(げん)を知らざれば、以て人を知る無きなり。
６７●君子は義(ぎ)以て質(しつ)と為(な)し、礼(れい)以て之を行ない、孫(そん)以て之を出(い)だし、信(しん)以て之を成す。君子なるかな。