64●君子に九思(きゅうし)有り。
視(し)には明(めい)を思い、
聴(ちょう)には聡(そう)を思い、
色(しき)には温(おん)を思い、
貌(ぼう)には恭(きょう)を思い、
言(げん)には忠(ちゅう)を思い、
事(じ)には敬(けい)を思い、
疑(ぎ)には問(もん)を思い、
忿(ふん)には難(なん)を思い、
得(とく)を見ては義(ぎ)を思う。
意訳
・君子には九つの思慮がある。
視るときは、本質を、
聴くときは、合点がいくか、
顔色は、穏やかに、
態度は、謙虚に、
言葉には、真心を、
仕事には、敬意を払い、
疑問があったら、なぜかと考え、
腹を立てたときは、怒りを爆発させたあとの事態の収拾の難しさを思い、
得する話は、筋が通っているかを考える。
季氏第十六の一〇
孔子曰。君子有九思。視思明。聽思聰。色思温。貌思恭。言思忠。事思敬。疑思問。忿思難。見得思義